天才じゃなくても夢をつかめる10の法則
2009年 ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで日本人として初めて優勝、全盲というハンデを乗り越え世界から奇跡と称えられるピアニスト:辻井伸行
彼を育て上げた母 いつ子さんは
「どんな子どもにも才能がある」
世界の歴史に巨大な足跡を残した偉人たち
彼らについて調査したアメリカの英才教育の権威は驚くべき発見をした
「偉人たちは必ずしも知能指数は高くなかった」
児童教育ジェラルド・H・ビドラック博士
天才じゃなくても夢をつかんだ偉人たちの秘密とは?
最先端科学のカリスマたちが最新の科学と情報を結集し解説
●史上最年少 プロゴルファー:石川遼
父 勝美さんは
「トンビが鷹を生んだわけではない。トンビが生んだのはトンビだと思っています」
父は石川遼を生まれつきの天才ではないと言い切った
「石川家の子育て」に秘密が
・お母さんの躾の特徴
おもちゃの後片付けなど家のルールを守らなかった時は普段の優しい母とは別人のように厳しく叱る
人前でもどこでも悪い事したらすぐに叱る
○厳しく叱る事の効果とは?
叱る事で社会協調性が得られる
叱る時には痛みを伴うほうが良い
最近の研究で分かった事は体の痛みを感じる場所と心の痛みを感じる場所が同じ場所、前帯状皮質で感じる
その前帯状皮質で感じるもう一つが他人の心の痛み
前帯状皮質が叱られることで痛みを感じれば他人の痛みのも敏感になり人を思いやる心、社会協調性をもたらすことになる
度が過ぎる体罰は子供の心に傷を残すのでNG
●法則1:子供には厳しく叱れ:叱られることで人を思いやる心は育つ
やさしい叱り方では叱られているか分からない
失敗して反省している時に叱っても逆効果。むしろ反省した事をほめてあげるくらいの方が良い
叱る事の重要性を示すデータ
厳しく叱ると叱らない子では叱られない子は100倍以上攻撃的になるという
○夢を持つ事の大切さ
夢を持つことは頭を良くする。頭の良さと夢は連動している。
夢、未来のビジョンを思い描く事が出来るのは人間だけと云われている
遥か先まで考えられる人間の脳は夢を持つことで、その夢を達成させるまでの計画を立て、そのためには何をするべきなのかを考えるようになる
・子供の夢への対処法
夢を否定してはいけない。否定したら夢を持たなくなる可能性がある。
どんな夢でもいい夢だ、とそれなら一緒に頑張ろうと前向きに接し、親子で夢について良く話し、具体的な目標を決めていく事が大切
言葉は脳をコントロールする。夢に関係する脳領域を活性化させるために、夢を言う事。
●法則2:夢を言葉にせよ 多くの人に夢を具体的に話すことで実現性は増す
○褒める事の大切さ
褒められると脳ではドーパミンというやる気ホルモンともいわれる神経伝達物質が分泌され前頭前野に影響を与える。このドーパミンによって脳は達成感を感じ、より高い目標を設定する。やる気が出るからその目標も達成する。そしてまた褒められる。そんな成功回路が脳の中に出来る。
●法則3:子供をおもいっきりほめろ ほめられることでやる気、根気は大きく増す
他人に褒められる方が効果大
8歳以上:他人が褒める事が有効
7歳以下:親が褒める事が有効
○一万時間理論
芸術、スポーツなどどんな分野でも好きな事を毎日続け一万時間を超えると一流になれる
この理論で最も大事なのは自分が本当に好きな事をやること
鹿屋体育大学 体育学部 教授:児玉光雄いわく
興味があり意欲があれば誰でも一万時間で才能は開く
●法則4:好きな事を一万時間やり続ける
一万時間続ける事で誰でも一流になれる
アメリカで行われたある研究でモーツァルトやビートルズ、ビル・ゲイツが世に出るまでがおよそ一万時間になる事が分かった
単純計算で3時間×365日×9年=約10000時間
石川遼 彼は天才ではなくその才能は日々の努力で生まれたもの
偉人に学ぶ夢をつかめる10の法則
○坂本龍馬に学ぶ法則
日本を今一度 洗濯いたし申し候
なぜ龍馬はヒーローとなり得たのか?
幼少期
龍馬の幼少期を記した「坂本龍馬」(大正3年 千頭清臣 著)に幼少期の記述がある
龍馬は臆病もので愚か者に見え、10歳を過ぎてもオネショが治らず、隣人からはハナタレと呼ばれていた
塾をわずか3カ月で追いだされてしまった落第生だった
脳科学のよると大器晩成の「要素」がオネショ
オネショが治らない子は大物になる可能性を秘めている。実は脳の中で尿を我慢する機能があるのは人間の知性をつかさどる前頭前野。オネショはこの部分の発達が遅れているため起きてしまう生理現象。
ある調査によって脳の前頭前野は幼少期の発達が遅いほど成長した時より高度に発達する事が分かった
つまりオネショが治らない子供は成長するにつれ前頭前野が大きく発達する可能性があるということ
自ら落ちこぼれである事を自覚していた龍馬がひとつ、大事にしていた事は「人に会う事」
実際龍馬はその短い生涯で数多くの出会いを重ねている
中でも龍馬の世界をもっとも広げたのが土佐の絵師で儒学者でもあった河田小龍。
土佐藩随一の知識人で高い地位にある河田に身分の低い龍馬が会うことはそもそも不可能な事
その後も龍馬は日本中を駆け巡り人に会い続けた
相手が敵であろうが味方であろうがどんな身分だろうが龍馬は意に介さなかった
人に会うために走り回った総移動距離は4万6000キロ
●法則5:バカになって人に会え!
多くの人に会い視野を広げると夢を見つけられる
現代にも出会いを通じ道を切り開いた人物がいた
蓄音機、白熱電球、映画用カメラなど生涯で1093もの特許を取得
エジソンは発明の知識を大学などの学校から得たわけではない
エジソンの最終学歴は小学校中退
あるきっかけで学校をやめる事になったエジソン。
1+1=2に対しエジソンは
「コップの水は2つ合わせると1つになるよ」
粘土もこね合わせれば1+1=1
割れた皿の破片も1+1+1…=1
1+1=2とは限らない
このエジソンの意見をへりくつととった教師は
「うるさい!いいかげんにしろ!お前の頭は腐っているのか。お前なんか勉強しても無駄だ」
彼はバカの烙印を押された
元小学校教師だった母が勉強を教える事に
ある時エジソンは母に
「なぜアヒルは卵の上に座ってるの?」
「アヒルのお母さんが卵を温めているのよ」
「なぜ卵を温めるの?」
「卵は温めないと中のヒヨコが生まれないのよ」
ある日姿の見えないエジソンを探して両親が納屋をのぞいてみると、なんとエジソンは自分の体で卵を温めていた。
「アヒルが生まれるのを見たいんだよ」
エジソンは朝から晩までアヒルの卵を温め続けていた。しかも2日間そうしていたという
結果を出せなかった事にがっかりし力なく立ちあがるエジソン
母は涙するエジソンを抱きしめ
「失敗してもいいのよ。自分の目で確かめたかったのよね。自分で実際に2日間では駄目だということを学んだのだから」
失敗を明るく笑い飛ばしてくれた母。母の言葉にエジソンは救われる思いだった
その後百科事典を調べ卵は3週間以上温めなければならない事を知る。
失敗をそのままにせず原因を追究した。エジソンは失敗をして学べばいいと気付いた
エジソンはのちに
「人間の最大の欠陥はすぐにあきらめることである。成功するための最善の方法はもう一度やってみる事だ」と語っている
●法則6:どんどん失敗しろ!
失敗を反省しそこから学ぶ事で夢に近付ける
本田技研工業 創業者:本田宗一郎
「成功は99%の失敗に支えられた1%だ」
ユニクロ創業者:柳井正
「私の経営を星取表とすると1勝9敗 もしこれを成功と呼べるなら失敗を恐れず挑戦してきたからだ」
女優:メアリー・ビックフォード
「失敗とは転ぶ事ではなく そのまま起き上がらないことなのです」
芸術家:ミケランジェロ
「私たち皆にとって高い目標を掲げ失敗することは危機ではない。低い目標を達成し満足することこそ危機である」
パナソニック創業者:松下幸之助
「成功する為には成功するまで続けるこである。途中であきらめてやめてしまえばそれで失敗である」
○手塚治虫に学ぶ法則
生涯に書いた作品は700以上。しかし彼は始めからマンガを目指していたわけではない。
「ぼくは子供時代、やせていて虫のような顔をしていました。クラスメイトからは、バカにされて、いわゆる「いじめられっ子」でした。家に帰ると母が待っていて、「お帰り」というかわりに「今日は何回泣かされたの?」と聞く。「今日は八回だあ」なんてベソをかいて答える。それが日常だったのです」自伝ぼくのマンガ人生より
心を慰めたのはマンガ
母はマンガの読み聞かせをしてくれた
「その読みっぷりも、ただ棒読みにするのではなく、セリフを、キャラクターによって声色を変えて読んでくれるのです。僕は思わず感極まって泣いたり、興奮したりしたぐらいです。じつに見事な読みっぷりだったわけです」自伝ぼくのマンガ人生より
じつはこのお母さんの感情豊かな読み聞かせが頭脳を育てた可能性ある
脳は感情が伴った方が発達する
物語の読み聞かせで子供達はワクワクしたり感動したりする、その事が脳の成長に大きな役割を果たしている、その結果想像力豊かな子に育つ可能性が高くなる
読み聞かせは脳の成長に良い
人間関係を見る事で脳が発達する
1945年 大阪大学付属医学専門部に入学
誰からも尊敬される医者と一方仕事としてちゃんと成立するかも分からないマンガ家
悩みぬいた治虫は母に相談した
「自分は医者とマンガ家のごちらを選べばいいのか?」
「本当に好きなのはどちら?」
自分が本当に好きなのはマンガだ!
「あんたがそんなに好きなのなら東京へ行ってマンガ家になりなさい」
「人生の選択をする時がかならずあります。そのとき選べるものがあることは、ほんとうに幸せなのです」自伝ぼくのマンガ人生より
●法則7:子供が夢中になる事はどんな事でもやらせてみろ
夢中になる事が才能を伸ばし自分に自信が持てるようになる
○母娘二代でノーベル賞を受賞 キュリー親子に学ぶ法則
女性で初めて2度のノーベル賞を受賞
母:マリー・キュリー
母に続きノーベル賞を受賞
娘:イレーヌ・キュリー
実は少女時代娘イレーヌは物理学を毛嫌いし、それどころか憎んですらいた
20世紀初頭のフランス
マリー・キュリーは夫と共に当時最先端の研究 放射線物質の謎を解こうと実験に没頭していた
ますます研究にのめり込み夜遅くまで研究所で過ごす事が多くなった
しかしそれは幼いイレーヌを家に放っておくという状況をうみだした
ある日、イレーヌは祖父にお願いし、母と父の仕事場を訪れた。
それからたびたび仕事場を訪れ、いつしか母の背中を見ながら宿題などして過ごしていた。
親と過ごしながら勉強する その効果を示すデータが!
子供が有名中学校に合格するなど受験に成功した家庭を調査したところ
90%の子供が自分の部屋で勉強せずリビングやダイニングなど親のいるスペースで勉強した事が分かった
この調査の「頭のよい子が育つ家」の著者:四十万靖氏によると
自分の勉強を自慢したい。それによって褒められたい。
頭の良い子はお母さんのそばで勉強している
1人部屋より親と一緒の空間の方が学習意欲が増し集中できる
母の背中を見て勉強していたイレーヌはいつしか物理学に興味を抱くようになった
そして彼女は数学で驚くべき才能を見せるようになる
母マリーが娘イレーヌにさせた離れていても出来る勉強法とは手紙勉強法
母は娘に手紙を書く時、毎回数学の問題を出すことにした
母に宛てた手紙の中には楽しみに問題を解く様子と母への感謝の言葉がつづられていた
その後 母と同じ研究者の道を歩むことになったイレーヌ
彼女がノーベル賞を受賞するのは母マリーが亡くなった翌年の1935年
「放任主義」を改め「過干渉」な母子関係
母子関係が密な子ほど頭が良い。マンツーマンの密度の濃い教育が必要。
●法則8:過保護・過干渉は大いに結構!放任主義はやめろ!
親が手をかければかける程、子供の脳は発達する
子供とのふれあいで大切なのは時間より密度。密度の高いふれあいで脳が発達する。
濃密なスキンシップをする事で放任にはならない
○奇跡のピアニスト辻井伸行 親子の絆に隠された法則
2009年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール 日本人で初めて優勝
小眼球:眼球の成長が不十分で全盲又は弱視といった視覚障害を起こす
母「とにかく子供との時間を一番大事にしてコミュニケーションをとるのが一番」
8か月の伸行くんはピアニストの違いを聴き分けていた
●法則9:とことん親バカになれ!
親バカにならなければ子供の才能は見つけられない
音楽の才能に気付いた母いつ子さん。この時いつ子さんの脳にある変化が起きていた。
典型的な母親脳になった。
母親脳とは?
通常の脳が育児のための脳に変わる。神秘的な現象。
母親脳になると子供が熱を出したりおむつを替える頃といった子供の小さな変化に気づくようになる
この女性の脳を母親脳に変化させるのが妊娠中から分泌されるプロラクチンというホルモン。
これは子供と肌と肌で触れ合う事で母親脳の能力が上がる
育児にとってストレスは大敵
ストレスによってプロラクチンの分泌が悪くなり母親脳の能力の低下させてしまう
日記で感情を言葉にすることはストレスを癒す一番の方法
うつ病の治療にも日記療法は利用されている
●法則10:自分の夢の素晴らしさを信じ続けろ